【 MARBLE 落ちた先はホストの鳩尾 】
さん、大変です。
目の前にホストのあとべさまがいらっしゃいます。
じーっと、ジャージ姿のあとべさまを見る。
うん。
綺麗な顔をしている。私好みだ。
「・・・・・・てめぇいつまで乗っている気だ。」
「え。あ、ごめんなさい!」
もう少し顔を堪能していたかったのだけどな。
内心そう思いながらは彼の上から退く。
少しかすれた声だ。彼は鳩尾辺りを押さえている。
それもその筈、が落ちたとき彼女の膝が彼の鳩尾辺りにめり込んだのである。
「・・・・・・・・・おい。」
「え、あ、あの・・・っ。」
あ、声凄くかっこいいかも。
はそんな事を思いながら彼を見る。
「儲かってますか?」
「何の話だ。」
あれ?何か間違えた気がする。
「・・・・じゃなくって!えっと。ドンペリですか?」
「大丈夫かお前。」
とりあえずテレビで聞いた事のある、ドンペリ、という言葉を使ってみる。
しかし、これも何か間違ってる。絶対に。
「・・・・・・。」
「お前何か俺に言う事は無いのか?」
言う事・・・・?
「ホストお疲れ様です。」
「お前殴るぞ。」
何か怒られた。
でもこの人何か面白いかも。
一体何処からそんな結論が出たのか全くわからないが、は思う。
「怒った顔も素敵ですね。」
「殴るぞ。」
「・・・・っ女の子を殴るのですかっ!?そんなっ・・・酷い・・・・っ!」
「・・・・・・・・殴る。」
「え。ぎゃー!!待って待って待って!謝りますごめんなさいぃーーーー!!!」
のわかりやすい演技に彼が怒った。
本当に拳を振り上げたので、は慌てて謝る。
すると、彼はあっさりと拳を下ろした。
「本気で謝ったな。ククッ、俺様が女をそう簡単に殴るわけないだろ。」
ニヤリと満足げに笑う。
それを見ては自分が嵌められた事に気が付く。
何だか凄く気に食わない。
そう思いながらは無言で彼を見る。
キメが細かい肌、綺麗なパーツ、特に目の青色が綺麗だ。
のドストライクゾーンをしっかり射抜いているらしい・・・・。
「・・・何だよ。惚れたか?」
「なっ!?」
言われた事の無い言葉には慌てる。
気に食わない、と思いながらもの頬の温度は上昇していた。
「図星か?」
「違うっ!!」
「でも顔赤いぜ?」
そう言って彼はの両頬に手を当てる。
かかかかかかかかかかかかかか、
顔、顔近いっ!
私好みの顔が近いっ!!
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・駄目だ無理。
は耐え切れなくなって意識を手放した。
Buck
□□□□
短い。もの凄く短い。
俺ってば跡部さんをかなり神様並みに美化しているらしい。
忍足みたく喧嘩できない。ラブコメ風にしそうになってきた。