【 MARBLE 運命かもしれない 】
転入してから1週間。
ようやく授業のペースにも慣れる事が出来ました。
とりあえずクラスメートの女子の大半とは仲良くなれました。
やジロー君とも更に仲良くなりました。
ジロー君は先約があるのか、あまり一緒ではないけれど、
とはお昼を一緒に食べるようになりました。
彼女のお弁当は綺麗でした。どうやら彼女のお母さんは料理が好きらしい。
その日ののお弁当のメニューは美味しそうなから揚げやらサラダやらでした。
私のお弁当は。
ご飯と納豆。
組み合わせの相性はいいのだけれど弁当箱とは相性悪いと思うんだ。
だって、ご飯の上に納豆かけてるから、弁当箱の蓋に糸が引いてる。
そんなメニューだったりした事が1度だけありました。
しかもがそれを見て思いっきり爆笑してました。
って、何でお弁当の回想になっちゃったんだっけ?
・・・・・・え?作者どうしたの?
それは私が自分から勝手に話し出した?
ああ、ごめんごめん。あまりに衝撃的だったから。
え?さっさと本題に入れって?わかりましたよ、了解。
コホンッ。では本題に入ります。
ついさっき運悪く社会科の教師に見つかってしまい、地図帳を数冊資料室へ運ぶ事に。
重さは大した事ないようで、はすたすたと階段を降りていく。
確か、2階にあるはず。
さっさと終わらせようと少し走り歩きで角を曲がった。
「・・・っわ!?」
「・・・っ!?」
は何かにぶつかって、のけぞる。
持っていた地図帳は手から離れて地面に散らばる。
驚いたような声らしきものが聞こえたので、ぶつかったのは人間らしい。
のけぞった体を何とか起こし、地面とこんにちはをする事は免れた。
でもグキリッと言った腰は痛かった。
「大丈夫か?すまんかったなぁ、ぶつかってしもーて。」
そう言いながらぶつかった人間はしゃがみこんで、散らばった地図帳を拾う。
顔は見ていないが、肩幅や男子制服を着ている事からおそらく男だろう。
「あ、否、こちらこそごめんなさい。走ってて。」
そう言って慌ててもしゃがむ。
付属の冊子まで本から飛び出てしまっていて思った以上に凄い散らばりようだった。
飛び出た冊子に手を伸ばす。
すると自分の手と自分のではない手が丁度同時に冊子を掴んだ。
「「・・・・・・あ・・・。」」
互いの手が指先だけ重なったまま互いに硬直。
その様子はまるで一昔前の恋愛モノのようである。
「(何だこの一昔前の運命的って感じの出会いは。
もしかして、このまま顔を上げたら私好みの男の顔が・・・・・っみたいな?)」
「(何やこの一昔前のドラマのワンシーンみたいなのは。
顔を上げたらむっちゃ美人の女の子の顔が・・・・・・・っみたいな?)」
各々の心中はこうだった。
多少考えに違いがあるものの互いに考えているのはほぼ同じ。
ごくりっ
カッコイイ人でありますように・・・!
かわええコでありますように・・・!
バッ
「「・・・・・・・・・・・。」」
2人同時に頭を上げて、相手を確認する。
「・・・・・・何だ・・・・好みじゃ無い・・・・・。」
「・・・・・・何や・・・・普通のコやん・・・・・。」
もの凄い残念そうな顔をする2人。
・・・・・・・・・・。
「「は?」」
「何ソレ、普通で悪かったわね。」
「何やそれ、好みじゃ無くて悪かったなぁ。」
残念に思われたのが気に食わないらしい。
拾おうとした冊子から手を離して、2人とも立ち上がる。
互い、既に腕に抱えていた地図帳をばさりと地面に落とした。
「何?もしかしてアンタ、一昔前のドラマみたいな出合いだと思ったの?」
「そういうアンタこそ、運命的とか思ったんとちゃう?」
「顔を上げたら超美人とか思ってたんだ?」
「顔を上げたら好みの男とか思ってたん?」
「私は美人だろーがっ!!」
「俺は誰だって認める美男やろーがっ!!」
自分で言うんですか。
「「黙れ作者。」」
・・・・・・・ゴメンナサイ。
「・・・・・・にしてもアンタ失礼だね。」
「他人の事言えないやろ。」
「何ソレ!むかつくーーーっ!」
「何やワレッ!」
中々終わらないようなので、さっくりとカットさせていただきます。
「・・・・あ・・・アンタ、中々やるわねっ・・・・・つ・・疲れたぁ。」
「お前こそ・・・・っはぁ。」
カットした時間、約10分。
それだけ喋り続ければそりゃあ疲れます。
「・・・・・ふぅ・・・、こんな叫んだの久しぶりだよ。」
「俺もや。」
「アンタ、面白いね!」
「奇遇やなぁ。俺も、お嬢さん面白いなぁ思うた。」
「友達になろう!」
「ええで。」
2人は何故か意気投合していた。
「・・・・・・えーっと、なんと言うか。
さっき、ピーーーとかピーーーとか更にピーーーとか言っちゃってごめんね。」
「ああ、ええよ。気にせんといて。
俺かて、ピーーーとかピーーーピーーーとか言ってしもーてごめんな。女の子に言う台詞やないよな。」
何か機会音が混ざっていますがそれは作者の自主規制です。
正直、10分間カットしてよかったと思いました。
「では喧嘩両成敗て事で。」
「そやな。」
あ・・・・そういえば。
「資料届けるのすっかり忘れてた。」
喧嘩してて忘れてた。
は自分が何をしようとしていたかをようやく思い出した。そして地面に視線を落とす。
そこには最初拾って整えた分まで喧嘩する時に落としてしまったので、
結局最初と変わらないまま地図帳が散らばっている。
はしゃがみこんで本を集める。
それに続いて男子生徒も本に手を伸ばした。
「・・・・・・よしっ、これで全部だ。」
は本を受け取る。
そしてにこりと笑って男子生徒を見る。
「助かったよ、どうもありがとう。」
「どーいたしまして。」
へぇ、笑うとなかなかかわええやん。
男子生徒はにこりと笑ったの顔を見て思う。
さっき、自分と怒鳴り合いをした時のアノ顔は正直怖かった・・・・。
女の子があんな顔しちゃいけないやろ、って言いたくなるぐらい。
「じゃ!急ぐんでさいならっ!!」
「じゃーなぁ。」
は、本を抱えたまま廊下をすたすたと走っていく。
「・・・・・あー、疲れた。」
は資料室の扉を閉める。
ずっと本を抱えていた腕を肩からまわす。
お母さん、また友達が出来ました。
その人は胡散臭そうな顔で、眼鏡をかけてて、髪の毛が暑苦しそうな人です。
出会いは喧嘩でしたが、仲良くなれそうです。
・・・・・・っていうか。
「・・・あの人名前何て言うんだ・・・・・?」
その丁度同じ時。
廊下を歩きながら、男子生徒・・・・忍足侑士も同じ事を呟いて、首をかしげた。
友達になろうと言った割にお互い名前を全く聞く事をしなかったのだった。
名前とはあまり日常会話では使わないのだな、と作者は思った。
Buck
□□□□
さんと忍足との出会い。
ギャグ、というよりただの阿呆話になりました。
日常会話で相手の名前って、遠くに居る時に呼ぶとかしかないと思いません?
少なくとも火來はそうですけど・・・・どうだろう。