【 MARBLE    友達ができました 】














校長室でまず挨拶。

前に通っていた学校の校長より若い。だって、髪の毛ふさふさしてるもの。

は校長の頭を見上げながらしみじみと思い出に浸っていた。
多少年齢の判断基準がおかしいと思われるがあえて触れないでいておこう。

校長が一通り話し終えた頃、校長室に一人の女性が入ってきた。
話によるとこの人が担任教師らしい。
厳しそうには見えないので、は正直ほっとした。
その教師とも挨拶を交わしたところでHRの予鈴と思われるチャイムが鳴った。












「ここが、さんのクラスよ。」


既に本鈴が鳴っていて、廊下に生徒はいない。
さっきまで行き交う生徒に好奇の目で見られて、既にげっそりだ。
は3年1組という札をぼーっと見つめる。
こんな札は前の学校にもあってそれよりは綺麗ではあるが、普通だった。

教師はガラリと扉を開け、を促す。
はそれにハイと小さく応え後に続いた。

会話はルイヴィトンかそれともベンツか・・・。

そんな事で妙に緊張しだしただったが、中に入って目線だけで教室内を見る。
普通の黒板があるし、机は綺麗ではあるが何処かの有名ブランドって訳ではなさそうで。
的外れな心配だったのか、と今更思うだった。


「はーい、席着いてー。」


教師のその言葉で、がやがやと生徒が席に着く。
その間も、はまるで珍獣を見るかのような好奇の視線を生徒から注がれていた。
それを横目で見て心中でため息を吐きつつ、教壇の横で立ち止まる。


「転入生を紹介します。」


どうぞ、と小さく言われこくりとは頷く。


です。よろしくおねがいしますっ!」


考えたものの言う事が思い当たらず、結局普通な挨拶になってしまった。
しかし挨拶は置いておいて、オプションにつけた笑顔、これは多少影響を及ぼしたらしい。

生徒の男子数人が、あいいかも、などと考えていたのである。
逆に女子は、可愛らしいと思う人半分、敵ではないななどと妙な見解な人半分と言った感じだ。
とりあえず早々嫌われるという事は無さそうだと理解したは、ほっと胸をなでおろした。


「ええと、さんの席は・・・・っと、芥川君の隣が空いているわね。
 ・・・・って寝てるし。近くの人芥川君起こして。」


そう言うと、うつぶせに机にへばりついている人の背中をその隣の男子がゆさゆさと揺する。
うわぁ・・・金髪・・・・かぁ?とは背中と共に揺れる髪の毛を見る。


「・・・・・・んー・・・何ぃ?」


起きたらしくゆるゆると顔を上げる。


さん、あの人が芥川君よ。その隣が貴女の席です。」

「はい。」


一番窓側の一番後ろの席。そしてその右隣が、芥川の席である。

席まで歩いている途中に小さく、よろしくね、と言われそれにも笑顔で答える

鞄を机の上に置いて、椅子をひく。


「・・・・・・では、今日の――――」


が席に着いたのを確認すると、教師は今日の予定を話し始めた。






「・・・・・・・・誰?」



ついさっき自己紹介したばかりなんだけど。
まあ、寝ていたみたいだし仕方が無いといえば仕方が無いのだけれど。

はそう思いつつ、先ほど前でしたのと同じ挨拶を芥川に言った。


「・・・・・ふーん。」



せっかく2度も挨拶してやった(えらそう)のに反応薄すぎねぇ?



「そっかそっか。とにかく宜しく。」

「よ、よろしく。」

「んじゃ、おやすみ〜・・・・・・・・・・・・・ぐー。」





何だこの可愛い生物。




瞬時に眠りについた少年を見ながら垂れそうになる唾液を必死こいて収めるのだった。












HRが終わってしばらく質問攻めにあった。
周りをぐるりと囲まれ、色々な方向から質問質問質問。
それに全部答えようと試みたけれど。

それはそれは聖徳太子もびっくりといった感じだった。






「ねー。ねー。」


やっとこさ落ちついて、ため息を吐いた時、
明るい声が聞こえた。一人の女子がの前に来る。


「私、。よろしくね!」


にっこりと笑うその女の子。
手を出され一瞬戸惑うが、という女の子は微笑む。
は、ふっと微笑んでその手を握った。


「よろしくね。」



可愛い生物パート2。






・・・・っと・・ヤバイヤバイ、ヨダレが・・・・・。(じゅる



「だ・・大丈夫?」

「え、あ、ごっ、ごめん。」

「あはは。いいよ。あ、それと、私の事、って呼んでね。」

「え?いいの?」

「勿論!私もって呼ばせてもらうし。」

「ありがとう。じゃあ、って呼ぶね。」

「うん。」


ガラリと扉が開いて、教師が入ってきた。


「あ、先生来た。数学の先生、厳しいから気をつけてね。」

「そうなの?」

「うん。話してたり寝てたりすると、いきなり問題出して困らせてくるから。」

「そうなんだ。気をつけるね。ありがとう。」


だからまた後でね、そう言っては前を向いた。





出来た友達がイイ人そうでよかった。






シャネルな会話も無かったよ・・・・っ!



























「えー、三平方の定理により・・・・であるからー・・・・・」


が言っていた通り淡々と授業をする先生だ・・・・。

つまらねぇ。

そう思いながら、は黒板を見る。


「・・・・・・・・スー・・・。」


ふと、隣から音が聞こえては隣を見る。
そしてぎょっとする。








・・・・・・・寝てる。




隣では気持ち良さそうに寝息を立てる芥川が。
大丈夫なのだろうか。
その様子を横目で見ながら、は黒板の方を見る。




・・・・・・・・・。


に・・・睨んでる。


の視線の先には隣の席を睨みつける教師の姿が。
もの凄い怒ってます、といった表情の教師を見ては慌ててシャーペンで芥川の腕をつつく。


「・・・・んん〜・・・・・スー・・・」


しかし少し身じろぎするだけで、頭をあげようとしない。





あ・・・・あら可愛い・・・・・・。




っじゃなくって!!





すると、教師は黒板にすらすらと問題を書きはじめた。
それを見た生徒は息を呑む。そして数人が隣と顔を見合わせる。
教師が黒板に向いている隙に前に座っているが振り返る。
そして、の隣に視線を向けて目を見開く。
喋ると教師に見つかってしまうだろうと思い、は芥川を指さす。
それを見てはコクリと頷く。

チョークの音が止まり、は慌てて前を向く。
黒板には案の定、図形と問題が書かれていた。
とりあえず、黒板の問題を解いてみようと試みる。
んー・・・っと・・・公式はー・・・・・。


「・・・・・・では、芥川、この問題を解いてみろ。」


・・・・・・・やっぱり来た。


「芥川ッ!!」

「うわっ!!??」


教師の声に驚きの声を上げる芥川。
そして目を見開いて左右をきょろきょろと見る。
周りには、その驚き方に笑うものや教師に見つかった事への憐れみの顔。
それらを横目で見ながら、はノートの端に解法を書く。

・・・・・・あ、できそうかも。


「芥川、この問題を解いてみろ。」


黒板を叩いて教師が言う。


「・・・・・ぅえ!?・・・・えー・・・っと・・・。」

「どうした?授業を聞いていたら解けるぞ。」


嫌味のように教師が言う。


う〜・・・わかるわけないじゃん、寝てたんだから。

いつもは頑張って起きているのだけれど何でか今日は寝てしまった。
芥川はとりあえず問題を見てみるが、全く解き方もわからない。
しかも、ここでわからなければ課題を用意されてしまう。
芥川は以前も居眠りをして課題を沢山出された経験がある。


「・・・・・どうした。わからないのか。」


・・・・・やばい。わかんねぇよ。
あー、今日は部活は行けねーかなぁ・・・。
芥川は諦めて、わかりません、そう答えようとした時。

・・・・・・え?

机の上にノートの切れ端が置いてある事に気が付いた。
そこには、黒板に書いてある図形と数式が書いてあった。


「合ってるかわからないけど言わないよりはマシだろうから。」


が教師には聞こえないくらいの小さな声で言う。
芥川は驚いてを見るが、彼女は顔を前に向けたまま目線だけで芥川を促す。


「・・・・・え・・・っと、辺ABを――――」


紙を見て芥川は口を開いた。











「―――――・・・よし・・・・・いいだろう。」


教師は眉間にしわを寄せる。悔しそうな表情にも見えなくない。
そして、周りから驚きの声が小さく上がる。

授業を続ける、そう言って教師は黒板にチョークを走らせる。


・・・・よかったぁ。

芥川はほっと胸をなでおろした。
そして、数式の書かれている紙切れにペンを走らせ、
それを小さく折りたたんでの机の方に放る。

机に飛んできた紙をは開く。
そこには先ほど自分が書いた数式、そして自分の字でない文字。

ありがとう

と文字が書かれていた。



隣の芥川を見る。

隣のを見る。



丁度同時に振り向き、目が合う。
芥川は紙に書いた言葉を口パクで言う。
それを見てが口を開く。

どういたしまして

口パクでそう言って微笑むと、芥川もにこりと笑った。



可愛い子かも。

微笑んだ顔を見て、芥川はそう思った。






隣で鼻元を押さえて悶える少女は芥川の目には映っていないのだろうか。




















「さっきはありがとうね〜。」


授業終了後、まだ眠そうな目を擦りながら芥川がに話しかける。


「あ、やっぱりジローちゃんが解いたんじゃなかったんだ。」

ちゃん何言ってんだよー、俺に解けるわけないっしょ!」

「えばって言う事じゃないと思うなぁ。」


がクスクス笑う。
なんだよー、と芥川が言いながらをどつく。


「・・・・・って、大丈夫?」


鼻元を押さえて机に突っ伏すを見て言う。


「・・・・・だ・・だいじょ〜ぶ・・・・・ぃ。」

「????」


それ以上は聞くべきではありません。

作者はそう言いたいのだけど設定上話しかけられません。
ああ、もどかしい・・・・・・。


「俺、芥川慈郎。ジローって呼んでね。よろしく!」

「・・・ジロー君、ね。よ・・よろしく。」








































『いーい?。貴女お母さんに似てなんだから、頑張って隠しなさいよ?』





おかあさん。






、無理かもしんない。

















転入初日、可愛い生物2人も見つけちゃった・・・・w




























Buck



























□□□□
ギャグが・・・・・っギャグが、書けねぇ。
精進せねばっ!